ラオスの風・・ 南の国のミュージアム

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博物館でやっていること

毎回書いているブログの内容がどこかへ出かけたり、人が来たり、暮らしぶりが中心になっていて「お前はどんな仕事を何やってるんだよ」という声が聞こえて来そうです。それで今回は少々任務内容について書いてみます。

JICAのボランティアは開発途上国からの要請によって成り立っているのはご存知かと思います。勝手にこれこれをしたいからやってきたというわけにはいきません。そのために各国に調整員という仕事をする人がいて、派遣先の要望を聞いて取りまとめ年2回のJICAの募集に載せるのです。

それで応募があって選考して合格した方を、年間4回かつ福島県の二本松と長野県の駒ヶ根にある訓練所で65日間の派遣前訓練をしてから派遣国に送り出す仕組みです。二本松は現在避難所になっているため大阪に変更されていますが・・

したがって、相手国から要請があっても見合う人が派遣されてくるのに1,2年はすぐに経ってしまう事があります。そうすると、せっかく要請に応えて張り切って赴任したのにもうその要請は必要なくなっていたり、要請した担当者が代わって「なんで来たの」みたいな顔されることもないとは言えないそうです。

私は幸い、永年博物館が整理が出来なくて困っていた「写真・ネガ保存」という職種で、学芸員経験10年以上を条件とするものでしたので歓迎されています。

むろんこの博物館へJICAのボランティアが派遣されるのは初めてではなく、2000年以来写真隊員3名、考古学隊員2名の派遣実績があります。しかし最後の写真隊員から5年たっており、今まではすべてJOCVという若い青年協力隊員ばかりでしたのでSVシニア海外ボランティアとしての派遣は初代ということになります。

私が赴任して約4か月、当初考えていたような簡単なものではなくなかなか手ごわい作業だという事がわかってきました。

現在の博物館では1900年ころから75年の王制廃止までの写真、ネガ、ガラス原版など約5万点あります。これを時代別、内容別に整理し今後の保存と活用に生かすためデータベスを構築するのが要請事項です。

とはいえ

・半分位は時代がわかりません
・説明がたまにあってもフランス語
・王家の系図がわからないため、写っている人物の特定が難しい
(王家の事情は現政権のもとでは誰も語りたがらず、あまり追求すると怪しまれそうです。実は77年に逮捕され78年死んだとされる国王、王子の消息すらシークレット事項で聞きにくい)
・虫食い、酸化でぼろぼろ
・ネガフィルムは重ねてあったので何枚かがくっついてしまいどうしょうもない

こんな悪条件の中ですが、王家のシサワン・ウオン王、シサワン・ワッタナー王、シアヌークやスワナプーマ殿下、スサノヴォン大統領などの生写真が数多くあって、明らかにされてない東南アジアの歴史を確認する活きた証拠を握っていると思うとわくわくするのも事実です。

これらの資料をいずれ世に出るときの為に、活用を主体にすべてをデータベース化する気の遠くなる作業にようやく踏み出したところです。

ここには書きにくいことですが、上記の事を金をかけずにかつ働かないと言っては言いすぎですが、労働時間の少ない現場の職員たちの尻を叩き・・失礼!命令する言葉もしゃべれないくせにといわれそうですが・・・率先して範を示すしかないところです。

日本だったらきっとどこかの専門業者に委託するか、関心の高いボランティア集めてやってもらうかするのにとつい思いがちですが、お金のないぶん原点にもどって自分の目と手で作業する喜びも味わっています。そう、わたしこそここではボランティアなのですから。

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by czb12447 | 2011-05-19 21:14 | 国立王宮博物館

ラオス・ルアンパバーンの暮らしと国立博物館をレポート


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