ラオスの風・・ 南の国のミュージアム

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カテゴリ:国立王宮博物館( 9 )

写真とネガの保存

ルアンプラバンでは国立博物の写真とネガの整理保存を中心に仕事をしているのですが、いってみれば王室アルバムの担当という事です。整理を始めて一体何が何枚あるかすら全く未整理なのでわかりません
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もちろん写真がもっとも多く、次いでネガフィルム、ガラス原版、レコード、ポストカード、切手等々なのですが、まずはネガフィルムを手始めに透明ビニールに時代順に整理しバインダー式のアーカイバルファイルを作りました。

このアルバム、ビニールファイルはボランティアで見えていたオーストラリアの国立博物館のカメラマン、ジョージ・セラ氏に頼んで送ってもらいました。写真本体用のボックスはJICAに依頼するつもりです。いずれにせよ予算のないここでは諸外国の援助に頼るしかないようです。

一部のフィルムは悲惨な状態でした。40年以上の前のフィルムを裸のまま重ねて紙で包んであったような状態だったので互いの面がしっかりくっついてしまい無理にはがせば写真まではがれてしまいます。

お湯に漬けたり、中性洗剤に漬けたりいろいろ試してみたのですが、薄めたアルコール液がもっともよかったようで、なんとか分離に成功しました。しかし、この時代のカラーフィルムはダメですね。

赤く変色し画像も薄れたぶん使い物にならないでしょう。本当にデジカメの時代になって良かったと思います。ただ、保存がよければモノクロフィルムは立派なものです。ほとんど劣化せず40数年の歴史を刻んでいるものもあります。

今日はすべてのアルバムをファイル化して正確に一枚一枚のフィルム数を数えたところ8,057枚ありました。事前にあてずっぽうでみんなに予想数を聞いたところ1万8千から3万という事なので誰も当たりませんでした。
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当然、フィルムはきちんと残っていないので現存の写真はこの数倍は軽くあります。

ともあれ、課題の一つネガ・フィルムの整理を一段落することができて次の写真の整理に進めそうです。記念に撮った写真です。

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by czb12447 | 2011-06-06 22:38 | 国立王宮博物館

ラオス 植樹の日

昨日、帰りがけに同僚のノイが「明日は木を植えるので汚れてもいい格好で来て下さい。」と言っていたので何の事かなと思って出勤したら、大勢で木を植えていた。
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聞けばラオスでは6月1日が全国植樹の日(National Tree-Planting Day)、子供の日(Children's Day)となっていてこの日を中心に木を植えるんだそうだ。博物館は前日の今日が休館日のため行ったが、毎年この日に近い休館日に植樹をしている。

研修中の学生5人も加わって総勢30人ほどでヤシや小灌木の苗など100本以上植えた。植える場所には事欠かない宮殿の庭園なので、バランスのいいように間隔を空けて植えまくった。
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写真を撮ったり、庭になっているマンゴーを棒を投げて取って食べたり遊びながらの作業のようだが、人数も多いせいかことのほかはかどった感じがする。ラオスにしては・・・

せっかくなので自分で植えた木には目立たないように記念にネームを付けさせていただく事とする。何年か後にここを訪れたとき「この木はオジイさんが2011年に博物館にボランティアで来ていた時植えた木じゃ・・」といえるように。
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by czb12447 | 2011-06-01 00:47 | 国立王宮博物館

博物館でやっていること

毎回書いているブログの内容がどこかへ出かけたり、人が来たり、暮らしぶりが中心になっていて「お前はどんな仕事を何やってるんだよ」という声が聞こえて来そうです。それで今回は少々任務内容について書いてみます。

JICAのボランティアは開発途上国からの要請によって成り立っているのはご存知かと思います。勝手にこれこれをしたいからやってきたというわけにはいきません。そのために各国に調整員という仕事をする人がいて、派遣先の要望を聞いて取りまとめ年2回のJICAの募集に載せるのです。

それで応募があって選考して合格した方を、年間4回かつ福島県の二本松と長野県の駒ヶ根にある訓練所で65日間の派遣前訓練をしてから派遣国に送り出す仕組みです。二本松は現在避難所になっているため大阪に変更されていますが・・

したがって、相手国から要請があっても見合う人が派遣されてくるのに1,2年はすぐに経ってしまう事があります。そうすると、せっかく要請に応えて張り切って赴任したのにもうその要請は必要なくなっていたり、要請した担当者が代わって「なんで来たの」みたいな顔されることもないとは言えないそうです。

私は幸い、永年博物館が整理が出来なくて困っていた「写真・ネガ保存」という職種で、学芸員経験10年以上を条件とするものでしたので歓迎されています。

むろんこの博物館へJICAのボランティアが派遣されるのは初めてではなく、2000年以来写真隊員3名、考古学隊員2名の派遣実績があります。しかし最後の写真隊員から5年たっており、今まではすべてJOCVという若い青年協力隊員ばかりでしたのでSVシニア海外ボランティアとしての派遣は初代ということになります。

私が赴任して約4か月、当初考えていたような簡単なものではなくなかなか手ごわい作業だという事がわかってきました。

現在の博物館では1900年ころから75年の王制廃止までの写真、ネガ、ガラス原版など約5万点あります。これを時代別、内容別に整理し今後の保存と活用に生かすためデータベスを構築するのが要請事項です。

とはいえ

・半分位は時代がわかりません
・説明がたまにあってもフランス語
・王家の系図がわからないため、写っている人物の特定が難しい
(王家の事情は現政権のもとでは誰も語りたがらず、あまり追求すると怪しまれそうです。実は77年に逮捕され78年死んだとされる国王、王子の消息すらシークレット事項で聞きにくい)
・虫食い、酸化でぼろぼろ
・ネガフィルムは重ねてあったので何枚かがくっついてしまいどうしょうもない

こんな悪条件の中ですが、王家のシサワン・ウオン王、シサワン・ワッタナー王、シアヌークやスワナプーマ殿下、スサノヴォン大統領などの生写真が数多くあって、明らかにされてない東南アジアの歴史を確認する活きた証拠を握っていると思うとわくわくするのも事実です。

これらの資料をいずれ世に出るときの為に、活用を主体にすべてをデータベース化する気の遠くなる作業にようやく踏み出したところです。

ここには書きにくいことですが、上記の事を金をかけずにかつ働かないと言っては言いすぎですが、労働時間の少ない現場の職員たちの尻を叩き・・失礼!命令する言葉もしゃべれないくせにといわれそうですが・・・率先して範を示すしかないところです。

日本だったらきっとどこかの専門業者に委託するか、関心の高いボランティア集めてやってもらうかするのにとつい思いがちですが、お金のないぶん原点にもどって自分の目と手で作業する喜びも味わっています。そう、わたしこそここではボランティアなのですから。

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by czb12447 | 2011-05-19 21:14 | 国立王宮博物館

プシーの丘 出会いの丘

ビエンチャンのSV仲間が夫妻でルアンプラバンに来ました。任国外旅行でタイに回る途中です。博物館での日本語ガイドも、こんな感じで来た日本人にサービス精神で説明してあげるのでもう数十組になるでしょうか。

自分の勉強にもなりいろいろ調べる意欲もわいて自分の為と言った方がいいでしょう。入口のシサワンウオン王の銅像の右手に持っているのが経典かと持っていましたが、法典でした。

王の謁見の間のモザイク画も1960年、8人の職人が3年半かかった労作という事もわかってきまし
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た。ようやく写真撮影が終わりましたので、描画内容をこれから調べてみようと思っている。メインの画面はプーニョとニャニョの物語やボートレースの様子が描かれているのはわかるのだが・・

さて、見学の後暑いのを覚悟で328段のプシーの丘の階段を登ってみた。実際に2回目だが前回は来て早々朝登った時は今は博物館で一緒に働いているブンランさん夫妻とナース学校の先生に出会いあちこち案内してもらったのだった。

今回はS夫妻と「意外と涼しくなったね」と景色を楽しんでいたら、地球の歩き方を見ている日本女性がいるので声をかけたら、同じJICAのJOVCでシムリアップから来ている隊員だった。

そのまま合流して、観光客の気が付かない不思議な仏像や仏足、天然の洞窟にも案内した。全部前回連れて行ってもらったところだが・・・途中蟻採りのおっさんがいて木の上の巣を大きな竹の先に付けた袋で取ろうとしている。

が、足元がチクチクする、見ると大きな蟻が足にたかっているではないか。あわててその場を離れたがSさんはお腹まで刺されまくった。後で調べるとプチプチした食感で人気のある赤蟻だそうだ。

一緒に皆で夕食やナイトマーケット巡りをし、シムリアップやビエンチャンの情報交換ができたのでした。
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by czb12447 | 2011-05-14 14:00 | 国立王宮博物館

プラバン仏 

ルアンプラバンの町の名のもととなった仏・・・その意味はルアンは町、プラバンは黄金の仏を意味します。3日間ピーマイの喧騒が終わり17日はうそのように静かな日曜日。朝8時に集まって通常は博物館に安置されているブラバン仏がとなりのワットマイに移動する。

そこで三日間、今度は仏様が水をかけられるのだが、今年から新調された車つきの輿にて運ばれる。仏間から搬出し輿に乗せて行列をなし、今度はおろして仮設のお堂に安置するすべてが博物館の仲間たちが力仕事に駆り出される。この仏像は53キロもあるので大人3人掛かりだ。

どうもこの町のいろいろな行事は旧王宮の博物館の存在を抜きにしては語れないようだ。

それにしても大勢の観光客がカメラをもって色々なところから集まってくる・・・日本人は少ないとはいえちらほら・・・千葉からアジアのお祭りを追っかけているNさん。夫妻でアジアを旅する切手が趣味の大阪のNさん・・・同世代の方が元気な姿おたがいに刺激になる。

一週間続いたピーマイもこれでさまざまな角度から観察することができた。
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by czb12447 | 2011-04-19 23:42 | 国立王宮博物館

情報文化省国家遺産局局長の来館

情報文化省国家遺産局局長のトンクサ・サヤヤンカムリ局長が来館した。同氏は私の現在いるルアンプラバン国立博物館が国内初の国立博物館になったころ初代の学芸員として活躍した方だ。

同氏の事は一昨年来日して「ラオスにおけるミュージアムの発展」
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という講演をしたが、その内容がCultivateという博物館の専門誌で拝見していてお会いしたかった一人である。ラオスの博物館の歴史はまだ20年そこそこであるが近年には各地の県でも博物館が建設されつつあることと、私立博物館も最近は増えているとのレポートであった。その辺のこともお聞きたかった。

もう一つ彼の名前を聞いていたのが、当館で貸出しているイアフォンによるオーディオ・ガイドの原稿執筆をしたことだった。これは5か国語あり、英語やフランス語、タイ語、スペイン語に加え日本語も用意されている。私はこれを聞きながら館内のさまざまな展示品や壁画、建物の解説を知るのに格好の教材となっていたのだった。

実はこれも昨年完成したばかりなので、日本語の表記に誤りや問題がないかと逆に質問されてしまった。じっくり聞きなおして有効に活用させていただこう。ただ、オーディオ・ガイドありますという表記は英語で一か所しかないため気がつかない日本人の多く宣伝に問題がありそうだ。

もう一つ、この英語版を頂けるので今後、館のパンフレットや解説書(一つもない)を作るのに活用させていただこう。
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by czb12447 | 2011-03-15 12:28 | 国立王宮博物館

にぎやかな博物館の毎日

修復仏像展のせいもあって日本人の来客が多い。今日は修復の柳本教授のもとで短期に手伝いに来ている女性が、私の住んでいる富士宮市から来ているという事がわかった。もう一人、展示室の入口に立って英語でも日本語でも語りかけているのがジル・エマ・ストロースマン講師で身大の英語の先生だという。日本には40年くらいいるのでバイリンガルな才女。

館長を訪ねてきた老夫妻は十数年前、館長が埼玉県立博物館に研修に行った時ホームステイを受け入れてくださった方で、毎年来ているという。館長の母校のBAN-OU小学校には毎回文房具などの支援物品を携えてくるのだそうだ。

夕方仕事が終わると週末だし、「ビールを飲みましょう」と誘われ、館長以下学芸スタッフそろって木の下のベンチで酒盛りが始まる。ビールたくさんあるのにコップ少ないなとみていると、順番に飲み干しては回していくのだ。これがラオス式かとみていると、二
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本の瓶を合わせて器用に栓抜きも使わず栓を抜く、は~これもラオス式かと妙に感心した。誰かが持ってきた生春巻きとホルモンみたいな肉をつまみに楽しいひと時。若い連中と交流が図れてよかった。
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by czb12447 | 2011-02-19 00:42 | 国立王宮博物館

先輩隊員へのメール

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A子様
ようやく博物館に出勤し始めました.
まだまだ分からないことだらけでが、予想をいい意味で裏切られています。スタッフはドアンティトさんを中心に5人いますが、大体英語が通じます。私のプアーイングリシュの方が迷惑をかけているほどです。

ラッキーなことに2か月の日程でオーストラリア国立博物館のジョージというカメラマンが来ています。とても気さくで仕事人です。まだ二日しか会っていませんが、昨日の火曜のメンテ日に一日付き合い、例の壁画の撮影をしました。大型のデジカメも最新のデスクトップPCもどこかから寄贈になっていて、日本の援助の三脚や照明具を使って撮影しました。それらをフォトショップを使って画像処理をして斜め補正や色校正をします。まさにユニバーサルスタイルになっていました。彼は自動バックアップの取れる一テラの外付けHDDを持参してきていて使い方を講習していました。
実は私も高速スキャナーを持ってきているので、うまく使えればおいていくつもりです。

いずれにせよ日本の援助マークがペタペタ張られた機材や空調機は何とか頑張っているようです。特にニコンのカメラレンズはデジカメでも使えるとカメラマン氏は言っています。日本、豪州、ラオスの共同プロジェクットはうまくスタートしています。私の任務にも関係があるのでこの時期一緒にいられるのは天の思し召しのようです。


A子さんが希望してできなかったあの部屋の撮影が3回の休館日で来週終わりそうです。彼のすごいところはカメラのシャッターを自分で押さないところです。彼の指導でドアンチットもノイもセンポンもできるようです。私も使い方を習わなくてはなりません。

さて、収蔵庫ですがほとんど手つかずでドアンチットもアキコが帰って5年、何も進んでいないというようなことを言っていました。私はこれからじっくり考えますが、現物を酸性紙から離すこと、それらを中性紙箱に移すこと、スキャニングすること、データベース化することが課題かなと思っています。日本ならまずやる燻蒸処理をどうするか、現に虫が生きているのでまだまだ虫害、カビ害が進みそうです。

天の思し召しといえば住居もこじんまりした一戸立ちの新築住宅が見つかりました。13号線の外でやや遠いのですが、私の足では自転車で15分かかりません。静かで眺めがよくタラートが近くてワイフが気に入りました。

これから2年、マイペースでラオスペースとも適当に歩調を合わせながら、楽しいラオス報告が書けるように毎日を送ります。活動報告はブログにあげますので覗いて見て下さい。http://czb12447.exblog.jp/

暑くなる一方のラオスと違い、まだまだ寒いことと思いますので、赤ちゃんともどもご自愛ください。
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by czb12447 | 2011-02-16 07:17 | 国立王宮博物館

仕事が始まった

先週は五月雨式に職場に顔を出していたので、さしたる緊張感もなく8時半に歩いて出勤した。

学芸員室は朝からお茶を飲んだりリラックスした雰囲気で、仕事の打ち合わせやら自然な感じで好意的だ。これというのも先月から滞在しているキャンベラのオーストラリア国立博物館のカメラマンがとても人柄もよく私に対して個々の仕組みなどを熱心に教えてくれることにもよる
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5人のスタッフは全員私の半分以下の年齢で、親子のような関係だ。まずは館内を案内していただいたが、欧米人の観光客であふれていて見どころの多い博物館だ。ここでスタッフの一員としてはたらけることに改めて喜びがわいてきた。

展示場とはいえ宮殿をそのまま公開しているので、謁見の間の豪華なモザイク壁画などは撮影禁止のためここで見るしかないので初めて見る者には圧倒的な迫力で迫ってくる。王の接見の間には1930年代フランス女性画家がルアンパバンの一日と題した大壁画が壁を覆いこれも美術館並みの展示の目玉といえよう。

王の祈祷のための仏間、身の回り品や各国からの贈答品などとてもきれいに展示されており、ビエンチャンの国立博物館から見ると雲泥の差だ。(よかった)

野外に回ると王のボートやシトロエンなどフランス製の車も展示している。これを50年以上も維持してきたのは大変なことだ。ほかにもその2階にはドイツのカメラマンのルアンパバンの僧侶を撮った写真展、裏に回って先週お目にかかった柳本教授の仏像修復室も作業現場を公開している。

5,6人のラオス人スタッフが黙々と仏像の修復にあたっていたが、教授によれば多少乱暴なこともあるが現実に着々と復元修復ができており、本来遺棄されるほどの仏像もここで蘇っており大きな成果だという。

修復室や敷地入口左側の大きな会議場は隔日の民俗舞踊の部屋でこれらは別の組織だという。


午後からはいよいよ私もかかわる収蔵庫を案内していただいたが、すごいことになっている。おびただしい書類を紐で括っただけで山積しているフランス語の書類や雑誌類・・・一部屋まるまる写真とアルバムだけの部屋(主戦場)、もちろん考古品や衣装、食器や家具まで。

全部とは言わないまでも、自分なりの手法でこれらの保存と活用が図られるようわずかでも協力していかなければならないという熱い思いがわいてきた。
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by czb12447 | 2011-02-15 08:48 | 国立王宮博物館

ラオス・ルアンパバーンの暮らしと国立博物館をレポート


by czb12447
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